諸君 狂いたまえ

評判の本「明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」を
年末年始に掛けて読みました。タイトル通り「松陰批判」が随所に見られました
が、一方でいろいろ参考になる記述も多かったです。ちなみに筆者は、井伊直助
が藩主を務めた彦根藩の武家の末裔とのことです。

私は松陰にはまったといっても、ここ半年位のことですから、抵抗感もなく中立
的立場でむしろ興味深く読みことができました。

ただし、松陰個人の人となりや生き方には相変わらず惹かれるものがあります。

参考になった記事は、まず水戸藩です。水戸藩は黄門様である第二代藩主水戸
光圀の頃から「狂っていた」と著者は記しています。そもそも光圀自体が乱暴者
だったとも・・・この話はどこかで聞いたことがあります。

水戸藩は御三家というプライドと、その実力のギャップをごまかし続けて来たが、
溜まりに溜まった矛盾と藩士の鬱憤が幕末において噴出したということです。
確かに、幕末は水戸藩士の絡んだ大事件がありましたね。
桜田門外の変
水戸天狗党の悲劇

ちなみに松陰や西郷隆盛は、幕末期の水戸藩主である徳川斉昭の腹心で学者の
藤田東湖に師事していたということです。(これらの人達は、そろって本書で
酷評されています)

実は私が松陰本を徹底的に読もうと思った時に最初に読んだのは「狂気のススメ」
という本でした。本日のタイトルは本書の中で吉田松陰が語ったとされて一言
です。
ちなみに著者はクレージーというよりも熱情と表現しています、私も松陰という
と今では「熱情の人」という印象を強く持っています。

狂気のススメ 常識を打ち破る吉田松陰の教え

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こういうと無責任に聞こえるかも知れませんが「やっぱ狂わないと世の中は動
かせないのかな?」とも思いました。

「明治維新という過ち」の中で次に興味深かったのは、老中首座として安政の
改革を断行した阿部正弘です。この人は、狂気とは真逆の典型的事務方で「人
の話は聞くけど自分は何の判断も出来ない」という人だったそうです。私のサラ
リーマン時代の役員にもこの手の人はいましたが、昭和末期の企業幹部って、
そういう人が多かったんじゃないでしょうか。

最近は何故だか、明治維新を批判している人や本が多い様に感じています。当事
者ではないので呑気と思いますが、スピリチュアル的観点から見ると明治維新
~日清・日露・太平洋戦争~戦後の発展~現在の混乱は、時代の必然というの
が私の考え方です。

そして次の維新(便宜的表現)が目前に迫っているのに「誰が悪い何が悪い」など
と議論している暇があったら、塚澤健二さんが言うようにせっせと防空壕を
こしらえていた方が良いと思います。

ところで、なぜ図書館で50人待ちの大人気なのか、理由が分かりました。、
NHK大河ドラマの影響が大きい様です。
原田伊織『明治維新という過ち~日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト
(増補改訂版)』を読む


また予想はしていましたが現政権への批判的見方も背景にある様です。ちなみに
私的には、これについても時代の必然と思いますし、日本人が試されている様
な気がします。


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by cocosable | 2016-01-09 06:00 | 本/書籍
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